緊迫するウクライナ情勢をめぐり、ロシアがウクライナへの侵攻を正当化する世論の醸成を狙ったディスインフォメーション(偽情報)工作をソーシャルメディアで展開していることからも明らかなように、偽情報対策は対露政策における焦眉の急となっている。
ロシアの偽情報工作は、米大統領選に干渉して米社会の分断をあおったり、最近では新型コロナウイルス危機に乗じてワクチン接種への不信をかき立てたりするなど、あらゆる局面を捉えて巧妙なわなを張り巡らせてくるのが特徴だ。
しかも厄介なことに、ロシアのプーチン体制と中国の共産党独裁体制、さらには反米強硬派のイランといった国が欧米諸国などに情報戦を仕掛けるにあたり、互いの手口を研究し合い、同様の主張を同時に拡散させる、いわば「偽情報の悪の枢軸」を形成している実態が浮上してきた。