主張

名護市長選 着実な移設推進が必要だ

沖縄県名護市長選で、岸田文雄政権が支援した無所属現職の渡具知(とぐち)武豊(たけとよ)氏が、米軍普天間飛行場の同市辺野古への移設反対を掲げた無所属新人の岸本洋平氏を破り、再選した。

選挙戦で渡具知氏は移設の賛否には触れず、国からの米軍再編交付金を活用した子育て政策の実績や街の活性化を訴えた。

移設を事実上容認する渡具知氏が引き続き市政を担う意義は大きい。岸田政権は移設工事を着実に進めなければならない。

米軍基地から新型コロナウイルスのオミクロン株の感染が広がった直後の選挙で、移設への反発が強まってもおかしくないとの見方もあった。

岸本氏は、玉城デニー県知事や立憲民主党、共産党など「オール沖縄」勢力の支援のもと移設反対を争点化しようとしたが、大差で敗れたのである。

玉城知事は岸本氏の落選を受け、「辺野古の新基地建設に反対する方向性は1ミリもぶれることはない」と語ったが、選挙結果を直視すべきである。いつまで国との対立を続けるつもりなのか。

在日米軍基地をどこに設けるかは、沖縄を含む日本の平和と安全に直結する。国の専権事項である安全保障政策そのものだ。憲法は地方自治体の長に、安保政策や外国政府との外交上の約束を覆す権限を与えていない。

宜野湾市の市街地に囲まれた普天間飛行場の危険性は誰の目にも明らかだ。同時に、沖縄の米海兵隊は中国や北朝鮮を見据えた日米同盟の抑止力の要となっている。台湾有事への懸念が強まる中で、平和を守るために在沖米軍の重要性は増している。

日米両政府は、辺野古移設が唯一の解決策だと繰り返し確認してきた。これは7日の日米の外務・防衛担当閣僚による安全保障協議委員会(2プラス2)の共同発表にも盛り込まれた。

玉城知事や「オール沖縄」勢力は、宜野湾市民の安全確保の必要性と、沖縄がいや応なしに防衛の最前線になった事情を踏まえ、辺野古移設への反対を取り下げてもらいたい。

沖縄は夏の参院選、秋の知事選と重要選挙が続く「選挙イヤー」だ。岸田首相や与党は、辺野古移設の重要性や台湾や尖閣諸島(石垣市)をめぐる安保情勢の厳しさを県民に丁寧に説くべきだ。

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