主張

ウクライナ危機 米国支え露の侵攻を阻め

ロシアがウクライナに侵攻することへの懸念が強まる中、ブリンケン米国務長官とラブロフ露外相が21日にジュネーブで会談した。

ブリンケン氏は「ロシアのいかなる攻撃に対しても米国と同盟国は結束して厳しく対応する」と強調した。米国にとって東アジアの最重要同盟国である日本は、米国との連帯を確かなものにせねばならない。

ロシアは昨年秋以降、ウクライナとの国境近くに10万人規模とされる軍部隊を集結させ、ウクライナへの軍事的威嚇を続けている。今回の米露外相会談は、ロシアに侵攻を踏みとどまらせるための外交努力の一環だ。

会談では米国がロシアの要求に対する回答を近く書面で示すとし、協議を継続することで一致した。ラブロフ氏は会談後の記者会見で「ロシアにウクライナを攻撃する意図はない」と述べた。

しかし、この言葉を額面通りに受け取ることはできず、危機が去ったわけでは決してない。本当に侵攻の意図がないのであれば、軍部隊を撤収させ、実際の行動で緊張を緩和するのが筋だ。

ロシアのウクライナ威嚇には米国との交渉を優位に進める狙いもある。ロシアは、ウクライナなど旧ソ連諸国を北大西洋条約機構(NATO)に加盟させないとの確約を米国に要求している。「ロシアの脅威となる地域」に軍備を配さないことも求めている。

プーチン露政権は旧ソ連諸国を自国の「勢力圏」とみなし、各国の主権を軽視している。米国が、NATO加盟は当事国の問題だとしてロシアの要求をはねつけているのは当然だ。米国はその一方、米露のミサイル配備や軍事演習のあり方などに関しては協議する用意があるとしている。

バイデン米政権は今、台湾や東・南シナ海をめぐって現状変更を企(たくら)む中国と合わせ、「二正面」での危機管理を迫られている。日本が認識すべきはこの点だ。米国がロシアをどう抑止できるのかを中国は注視している。

ロシアがウクライナ侵攻を強行した場合の対露制裁について、米国は同盟・パートナー諸国との調整を急いでいる。制裁ができるだけ強力なものとなるよう日本も協調しなくてはならない。東アジアの安全保障では日本が最大限の役割を果たし、米国をしっかりと支えることも肝要である。

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