深刻な北海道の後継者不足 休廃業・解散の前の対策

同社のリポートでは、新型コロナウイルス禍の影響で後継者問題に向き合う企業は全国的に増えているという。だが、道内では70代を除いたすべての年代で後継者不在率が上昇。70代以上の経営者の2人に1人は後継者がいないというデータもある。

道内では高齢化や後継者不在を理由に休廃業や解散をする中小企業が年間1300件前後に上る。この動きに歯止めをかけようと、経済団体や金融機関が相談業務やセミナーなどを開催しているが、支援団体の関係者は「周知がまだ不十分」として一層の情報発信の必要性を感じている。

60歳前後から準備を

北海道の中小企業を対象に、無料の相談業務などを行っている北海道事業承継・引継ぎ支援センター(札幌市)には年間300件前後の新規相談が集まる。訪れる業種は介護・福祉をはじめとするサービス業や建設業、製造業など幅広い。全体の7割以上は従業員10人以下で、6割は売上高1億円未満の中小企業だ。

「60代前後から後継者探しの準備を」と話す北海道事業承継・引継ぎ支援センターの瓜田豊さん=19日、札幌市(坂本隆浩撮影)
「60代前後から後継者探しの準備を」と話す北海道事業承継・引継ぎ支援センターの瓜田豊さん=19日、札幌市(坂本隆浩撮影)

統括責任者の瓜田豊さん(70)は「廃業による地域経済への打撃は少なくない。特に地方都市は雇用環境にも影響しやすく、積極的な事業承継支援が重要になる」と強調する。

道内で後継者不在率が高い背景として「経験的には世代交代を考え始める年齢が高い傾向がある」と指摘する。後継者がいない企業経営者に対し、60歳前後からセミナーなどを活用した事業承継の準備をするよう呼びかける。

札幌市では今月25日に「廃業を決断する前に考えるべきこと」と題した事業承継セミナー(オンライン参加可)が開催予定など、さまざまなイベントが計画されている。こうした情報収集も早期の後継者確保の一助になりそうだ。

「事業承継セミナー」の問い合わせはビジネスマーケット(03・6452・9501)。(坂本隆浩)

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