日米、経済版「2プラス2」新設 日本は外交力で供給網強化

バイデン米大統領とテレビ会議形式で会談する岸田首相=21日夜、首相官邸(内閣広報室提供)
バイデン米大統領とテレビ会議形式で会談する岸田首相=21日夜、首相官邸(内閣広報室提供)

日米が外務・経済担当閣僚級による経済版「2プラス2」を新設するのは、通商戦略における日米協力を、経済安全保障の観点から一層深めたい狙いがある。中国の台頭をにらみ、エネルギー不足や資源価格の高騰、半導体不足などに対処する上でもサプライチェーン(供給網)の強化は必須だ。ただ、エネルギー一つとっても、資源が限られていることから、日本が国内の安定供給を守るには、もはや民間企業を主体にした通商力だけでなく、政府が外交力も活用して資源をたぐり寄せる必要がある。こうしたことから、日本にとって今回の新たな枠組みは重要な意味を持つ。

エネルギー不足では、1月に入りインドネシア政府が、自国の消費を賄うために石炭の禁輸措置を発表し、最大の取引先である中国などが混乱に陥った。石炭価格が高騰し、そのあおりを受けた中国は電力不足で停電地域が頻発。インドネシアからの石炭のルートが長期的に途絶えた場合、他国からの確保に動き、石炭価格はさらに上昇し、日本も入手困難になる可能性があった。

日本政府の働きかけもあり、インドネシアの石炭禁輸措置はいったん解除されたが、今回の件はインドネシア政府が国内事情を優先したことが原因となっており、電力などインフラや貿易に関わる民間企業だけでは資源の取引をコントロールできないところまできていることを象徴している。

今回の経済版2プラス2創設は、一国が独占するような保護主義に走るのではなく、安定した供給網の構築を進めるのが狙いだが、その実現には外交戦略にたけた外務閣僚の存在が不可欠というわけだ。

もっとも、米国はインド太平洋地域の新たな経済枠組みの構築に動き、日本の参加に期待を寄せる。中国の巨大経済圏構想「一帯一路」に対抗するためだが、経済版2プラス2が枠組み創設を進める場になる可能性もある。日本は中国が最大の貿易相手国でもある。米中の対立激化を避けながら、強固な日米関係を構築するという難しいかじ取りが求められる。(那須慎一)

会員限定記事会員サービス詳細