ソウルからヨボセヨ

北を変えるチャンマダン

韓国のテレビには北朝鮮を扱うレギュラー番組がいくつかある。政権の意向が影響する地上波の方は、北朝鮮のテレビ映像を紹介しながら宣伝的な「北朝鮮の今」を伝え、一方のケーブル局の番組は脱北者のトークショーが売り物で、興味本位に「北朝鮮の実態」を紹介している。

前者もそれなりに面白くて、宣伝映像が伝える北の市民生活や街の様子は実に豊かな先進国の風景で、生活難や経済危機のかけらもない。そして先端兵器を動員した軍事パレードや華やかで笑顔にあふれた各種イベント。あんな豊かで発展した軍事大国になぜ支援が必要なのだろうと、逆に文在寅(ムン・ジェイン)政権の対北政策に疑問を感じさせられる。

後者で面白かったのは「北では今やノドンダンよりチャンマダンが人気」という脱北者の話。「ノドンダン」とは朝鮮労働党で「チャンマダン」はヤミ市場のことだが、人びとの暮らしにとってもはや労働党は頼りにならずヤミ市場が支えという皮肉だ。

トランプ前米大統領に「ロケットマン」とからかわれた金正恩(キム・ジョンウン)党総書記は年初からロケット(ミサイル)発射に余念がない。核放棄をまったく考えていない北の体制をどう変えさせるのか。ノドンダン(金正恩)より最後はチャンマダン(民衆)に期待するしかないかも。(黒田勝弘)

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