今年に入り北朝鮮がミサイルを相次いで発射した。中には極超音速兵器と呼ばれる変則軌道のミサイルも含まれ、従来の態勢では迎撃が極めて困難とされる。先行する中国やロシアの極超音速兵器の開発は日進月歩で進む。日本や米国はこれを阻止するために何をすればいいのか。防衛研究所防衛政策研究室長、高橋杉雄氏に話を聞いた。
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北朝鮮の極超音速兵器は弾道ミサイル防衛(BMD)を突破することが目的で核兵器も搭載可能だろう。今年に入り北朝鮮が複数回ミサイルを発射したことで日本への脅威は高まっている。これまで射程400~600キロで在韓米軍のTHAAD(高高度防衛ミサイル)を突破するための機動弾頭技術をテストし、その発展型の極超音速兵器も試験してきた。今後は在日米軍基地を標的とする1000~1500キロの開発を進める可能性がある。