「蔓延防止」初日に感染者最多2215人の千葉県 飲食・宿泊再び苦境に

「蔓延防止等重点措置」が始まり、営業時間短縮を知らせる貼り紙をする飲食店=21日、千葉市中央区(長橋和之撮影)
「蔓延防止等重点措置」が始まり、営業時間短縮を知らせる貼り紙をする飲食店=21日、千葉市中央区(長橋和之撮影)

新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」による感染急拡大で「蔓延(まんえん)防止等重点措置」が始まった21日、千葉県の1日当たりの感染者数は過去最多の2215人だった。「終わりが見えない…」。客足が戻りつつあった飲食や宿泊業界は再び苦境に立たされた。

「(緊急事態宣言が解除された)昨年10月以降、客入りも良く、いい流れできていただけに非常に残念です」。県から認証店に認定されている千葉市中央区の居酒屋「九州の旨かもん旨か酒 くすお千葉店」の山田大副店長(47)はこう言って肩を落とした。

県が、感染防止基準を満たした認証店(98軒)や確認店(約2万6700軒)でも午後9時までの営業時間短縮要請をしたことをうけ、21日からは開店時間を通常より1時間早めて午後4時から営業するという。来月13日までとなっている期限についても「今までのことを考えても伸びると思う」とため息をついた。

営業制限に協力した飲食店に対する協力金への不満も。「認証店は確認店に比べても席数を減らして間隔をあけるなどしており、営業時間や協力金が全く同じでは認証店の意義がない」。同店の運営会社の榎本憶人マネジャー(44)はそう話す。

県が宿泊割引や優待を受けられる「千葉とく旅キャンペーン」の新規受け付け停止や「ディスカバー千葉」の26日での早期終了などを発表したことをうけ、宿泊業界ではキャンセルが相次いでいる。

南房総市の老舗旅館「魚拓荘鈴木屋」の4代目、鈴木健史さん(60)は「蔓延防止等重点措置が出そうだという時点からキャンセルが出始め、キャンペーンの休止などでさらにキャンセルが相次いだ。先々の予約が入り喜んでいたので余計に辛い」と顔を曇らせる。南房総市は2月から3月にかけてキンセンカなどの花が楽しめる。鈴木さんは「これから観光シーズンなのに本当に2月13日で措置が終わるのか。終わりが見えない」と嘆いた。

千葉県の新型コロナウイルス感染の最多は昨年8月20日の1777人だったが、21日に確認された2215人は大幅に上回った。

県によると、木更津市の木更津総合高校で職員と生徒計27人、君津市の翔凜高校で生徒計8人、木更津市の中郷保育園で職員と園児計14人の感染が確認され、クラスター(感染者集団)と認定された。船橋市によると、クラスターが確認されている「セコメディック病院」で新たに10人の感染が確認され、感染者は計39人となった。

千葉市では90代男性の死亡が確認された。

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