脱炭素へ新国債を提起 山口環境相

インタビューに応じる山口壮環境相=東京都千代田区(三尾郁恵撮影)
インタビューに応じる山口壮環境相=東京都千代田区(三尾郁恵撮影)

山口壮(つよし)環境相は21日までに産経新聞のインタビューに応じ、政府が掲げる脱炭素社会の実現に向けた産業投資への財源確保策として新たな国債「イノベーション国債」の創設を提起した。炭素集約型の製造業などでは技術開発やシステム変革に莫大(ばくだい)な資金を必要としており、産業界の脱炭素に向けた資金需要へ配慮をにじませた格好だ。

山口氏は「イノベーション国債は産業変革を支えるための国債で、将来にツケを回すものではなく、将来に繁栄を残すためのものだ。税金だけでは足りない(財源)部分をどう手当てするかという発想だ」と述べた。政府としての対応については「これからの議論の俎上(そじょう)に載るかどうかだ」とした。

事業構造の脱炭素化のため、一部企業では使途を絞った環境債などによる資金調達が加速。環境省も「ESG(環境・社会・企業統治)投資」の呼び水として令和4年度当初予算案で財政投融資200億円を計上した。

ただ、山口氏は「(温室効果ガス排出量を実質ゼロにする)カーボンニュートラルを達成するためにはいくらあればやれるのか。鉄鋼や自動車など各産業から意見を聞くが(必要額は)何兆円規模と相当大きいだろう。業界ごとに自ら頑張る必要はあるが、欧州も米国も、国がバックアップしている」とし、脱炭素化での新たな産業支援の必要性を強調した。

また、脱炭素化の推進に向けては炭素税や排出量取引など二酸化炭素(CO2)排出に価格をつける「カーボンプライシング」の在り方も課題だが、これについて山口氏は「国民の納得感も必要だがカーボンニュートラルとイノベーション(投資)には炭素税が正攻法だ」と指摘し、導入に向けた意欲をみせた。

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