ポトマック通信

コロナの傷痕

先日、世界最大級の家電・IT見本市「CES」を取材するため米西部ネバダ州ラスベガスに出張した。新型コロナウイルスの新変異株「オミクロン株」が猛威を振るう中、主催者は来場者にワクチン接種を義務付け、簡易テストキットを配布する対策をとった。

それでも今月3~7日の会期中、来場者は4万人余りと2020年の約4分の1にとどまった。2年ぶりの対面開催となったCESは今回、感染症を警戒する主要企業の出展キャンセルが相次いだが、一般来場者も二の足を踏んだようだ。

現地を訪れて驚いたのは宿泊料だ。十数年前にCESを取材した際には1泊数百ドル(数万円)だったと記憶する大手ホテルが、旅行サイトで1泊30ドルで案内されていた。

かつて、多くの観光客や客寄せで肩が触れ合うようなにぎわいだった目抜き通りも、今回は混雑しておらず見る影もなかった。カジノの街として全米から観光客を集め、年間を通じてCESのような巨大イベントが開催されるラスベガスのホテル客室数は計約15万室とされるが、コロナ禍が収まらぬ中、稼働率は非常に低いのだろう。それが「激安」宿泊料の背景にあったのだと推察している。

コロナが米国の観光業に落とした傷痕の深さを痛感した。(塩原永久)

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