続く物価上昇 4月に2%も

ガソリン販売価格は高値水準が続いている=東京都内(桐山弘太撮影)
ガソリン販売価格は高値水準が続いている=東京都内(桐山弘太撮影)

物価が上がり続けている。円安に原油高、そして新型コロナウイルスの新変異株「オミクロン株」の感染急拡大による供給制約の3つの値上げ圧力が重なっているためだ。全国消費者物価指数(生鮮食品を除く)の上昇率は今後、原油や原材料などの輸入コスト高を背景に最近の0・5%程度から急激な上昇が見込まれる。企業のコスト転嫁が小売価格で広がりを見せるなど、上振れは既に顕在化した。携帯電話料金値下げによる下押し効果が軽減される4月ごろには2%の大台に届く可能性も取り沙汰されている。

物価を押し上げる大きな要因は、ガソリンや電気代などの上昇だ。エネルギー価格の伸び率は前年同月と比較して昨年10月は11・3%、11月は15・6%、12月は16・4%と徐々に拡大しており、今後も発電に用いる液化天然ガス(LNG)などの輸入価格上昇が値上がりにつながりそうだ。

食品業界などで輸入コストを価格に転嫁する動きも相次いでおり、12月は生鮮食品を除く調査対象の522品目のうち298品目が上昇した。輸入物価を引き上げている円安傾向は、米国が早ければ3月にも始める政策金利の引き上げで加速する可能性が高く、値上げ圧力が強まりかねない状況だ。

供給面の〝中国リスク〟も浮上した。新型コロナウイルスをロックダウン(都市封鎖)など強権的手段で封じ込めてきたゼロコロナ政策が、感染力の強いオミクロン株の登場でほころびをみせ、市場では供給網が再び混乱し世界的な物価上昇につながる恐れがささやかれ始めた。

さらに4月には、昨年から続く携帯電話料金の値下げ影響が一巡する。物価上昇率を1~1・5ポイント程度も押し下げてきたため、今春以降の上昇率は大きく伸びる見通し。

第一生命経済研究所の新家義貴(しんけよしき)主席エコノミストは、原油価格の一段の上昇などが重なれば上昇率は2%に届く可能性が十分にあるとした上で「エネルギー価格などに影響された『悪い物価上昇』であり、消費者の生活にとってかなりの逆風になる」と危惧する。

(高久清史)

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