中国の昨年の映画興行収入は日本円換算で8500億円を上回った。北米市場(約5200億円)を上回り、2年連続で世界最大の映画市場となった。原動力となったのは国産映画で、朝鮮戦争の戦場を描いた国威発揚映画は、年末ぎりぎりに米人気映画シリーズ「スパイダーマン」の最新作に抜かれるまで世界首位だった。3年連続の世界首位へ期待が高まるが、習近平国家主席が主導する「ゼロコロナ」政策や「共同富裕」が国内映画業界にも影響すると予想されている。
国産比率は8割に
国家映画局によると、2021年の中国の映画興行収入は472億5800万元(約8500億円)だった。前年比では2・3倍だったが、新型コロナウイルス流行前の19年比では約26%減とまだ本格的な回復の勢いはみられない。