政府が「佐渡島の金山」の世界文化遺産登録に向けた国連教育科学文化機関(ユネスコ)への推薦を見送る方向となったのは、韓国が反発する中、推薦しても登録を実現する環境が整っていないと判断したためだ。日本はユネスコの〝非政治化〟を主導してきただけに、紛糾する案件を持ち込めば国際社会の非難を受ける危惧もあった。ただ、早期の推薦や韓国への反論を政府に求める声は与野党から出ており、今回の判断には批判も強まりそうだ。
木原誠二官房副長官は20日の記者会見で、「政府は登録を実現することが何よりも重要だと考えている。そのために何が効果的かということを政府全体で検討している」と述べた。
これまで政府は全ての国内候補をユネスコに推薦しており、見送りは異例だ。