ペンギン「羽根」返礼品に 検診費など募り和歌山の水族館

飼育員の辻尾奈都美さんから餌をもらう4羽のペンギン=和歌山県すさみ町の町立エビとカニの水族館
飼育員の辻尾奈都美さんから餌をもらう4羽のペンギン=和歌山県すさみ町の町立エビとカニの水族館

人間の年齢に換算すると70~80歳代の高齢ペンギン4羽の健康維持のため、和歌山県すさみ町の町立エビとカニの水族館が、抜けたペンギンの羽根を返礼品にした「ペンギンの羽募金」を始めた。長引くコロナ禍で運営が厳しい状況にあるが、高齢のペンギンたちにはこまめな医療ケアが欠かせないといい、「健康を維持して長生きできるよう、多くの人に応援してもらえれば」としている。

同館は、国内外のカニやエビなど約150種類を飼育する全国でも珍しい水族館。新たな魅力を加えようと昨年5月、休館した水族館「志摩マリンランド」(三重県志摩市)から無償で譲り受けたケープペンギン4羽の展示を始めた。同館では初の鳥類展示だ。

アフリカ南部原産のケープペンギンは、飼育下での寿命が20~25年とされるが、4羽は22~29歳の雄3羽と23歳の雌。足の裏に炎症を起こす「趾瘤(しりゅう)症」や肝機能低下を患う個体もあり、毎月の定期検診のほか、2カ月に1回程度の血液検査が欠かせない。だが同館には獣医がいないため往診を頼んでおり、月の飼育費は約30万円に上るという。

町立とはいえ独立採算で運営している同館の売り上げは、コロナ禍の影響で令和2年度は前年度の半分程度。3年度は入館者数は回復したものの、「巡回水族館」などの移動イベントはほとんどできなかったため、厳しい経営が続いている。

「返礼品」のペンギンの羽根。コインケースに納められている
「返礼品」のペンギンの羽根。コインケースに納められている

そこで発案したのが募金。年1回の生え替わりで抜け落ちたペンギンの羽根5千枚以上が保管されており、これを活用しようと考えた。飼育員の辻尾奈都美(なつみ)さん(29)は「羽根を使ったキーホルダーも考えたけど、製作にお金がかかる。むしろ、羽根そのもののほうがインパクトがある」と、直径3センチのコインケースに納めた。

募金は定期検診と血液検査のほか、薬や餌の購入費などにも充てる。来館時のほか、公式ホームページのオンラインショップからも募金できる。1口千円、5千円の2種類あり、5千円にはペア入館半額券付き。問い合わせは同館(0739・58・8007)。(張英壽、写真も)

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