北、ICBM発射・核実験再開を示唆 軍事パレードの兆候

金正恩・朝鮮労働党総書記(朝鮮中央通信=共同)
金正恩・朝鮮労働党総書記(朝鮮中央通信=共同)

【ソウル=時吉達也】北朝鮮の朝鮮中央通信は20日、19日に平壌で開かれた朝鮮労働党政治局会議で、「米国の敵視政策」に対抗するため、これまで中断していた「全ての活動」の再開を検討するよう担当機関に指示が出されたと報じた。大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射や核実験の再開を示唆したとみられる。

バイデン米政権が20日で発足1年を迎える中、朝鮮半島をめぐる緊張がさらに高まるのは確実な情勢だ。

金正恩(キム・ジョンウン)党総書記が司会を務めた同会議は、米国による韓国との合同軍事演習や対北朝鮮制裁に言及し、「米国の敵視政策と軍事的脅威がもはや看過することのできない危険なラインに達した」と強調。「より強力な物理的手段」を整備するために「実際の行動に移るべきだとの結論」に至ったとした。

北朝鮮が行ったミサイルの発射実験=17日(朝鮮中央通信=共同)
北朝鮮が行ったミサイルの発射実験=17日(朝鮮中央通信=共同)

韓国軍当局者は20日、北朝鮮が軍事パレードの準備を進めている兆候が確認されたと記者団に明らかにした。政治局会議では、2月16日の金正日(キム・ジョンイル)総書記生誕80年と4月15日の金日成(キム・イルソン)主席生誕110年を盛大に祝うことも決めており、韓国の聯合ニュースは、早ければ金正日氏の生誕記念日にも実施される可能性が高いと分析。ICBMなどが登場するとの見方を伝えた。

北朝鮮は2018年6月にシンガポールで開かれた史上初の米朝首脳会談に先立ち、同4月に北東部豊渓里(プンゲリ)の核実験場の廃棄、ICBMの発射中止を表明していた。一方、21年1月の党大会で掲げた国防力増強の5カ年計画には新たなICBMや大型核弾頭の開発が明記され、米国を標的とする兵器開発を加速させる姿勢を鮮明にしていた。

北朝鮮は今年に入り、すでに4回の弾道ミサイル発射試験を実施。米政府は12日、独自の対北朝鮮制裁を発表した。

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