「正直者がばかを見る政策はもうやめてほしい」 飲食店、対応分かれる

東京都に蔓延防止等重点措置が適用されることが決まった19日、東京・新橋の飲食店街は人通りがまばらだった=午後5時5分(桐原正道撮影)
東京都に蔓延防止等重点措置が適用されることが決まった19日、東京・新橋の飲食店街は人通りがまばらだった=午後5時5分(桐原正道撮影)

蔓延防止等重点措置の適用が新たに決まった1都12県では、飲食店を柱とした協力要請が行われる。昨年秋まで酒類提供などの制限が長く続いた首都圏では、要請に従う店と従わない店が二分化されるようになった一方、初めて重点措置が適用される自治体では、冬場に期待した売り上げ減少を不安視する声も聞かれた。

「感染者が増えることは覚悟していたが、また時短要請が出るとは思わなかった」。東京都港区新橋にある焼き鳥店「山しな」の店主、山科昌彦さん(47)は肩を落とす。

都は、認証店でも酒類提供の有無で営業時間や協力金の額を区別。同店は午後11時から同9時に時短した上で同8時まで酒を出す予定だが、「この2年間、同じことを繰り返した揚げ句、選択制として飲食店任せにするのはおかしい。認証店の審査もザルで、正直者がばかを見る政策はもうやめてほしい」と訴えた。

一方、国や都の政策に納得がいかず、昨年4月に通常営業に戻した居酒屋「やきとんユカちゃん」(同区新橋)は、今回も通常営業を継続する。オーナーの藤嶋由香さん(45)は「みんな苦しいのに飲食店だけが協力金をもらうのは違う。短絡的な時短要請ではなく、例えば飲食店に無料で検査キットを配り、客にその場で検査してもらうなど、現場の声を聞いた政策をそろそろ示してほしい」と話した。

今回は、初めて重点措置が適用される地域も多い。新潟県湯沢町で、日本海で取れた魚や地酒などを提供する居酒屋「湯沢釜蔵」の店長、関智也さん(32)は「まいったもんですね」と困惑する。

スキーやスノーボード、温泉などを目当てにした観光客でにぎわう同店は年間を通して、2月の売り上げが最も高い。昨年8月に新潟県独自の「特別警報」が発令された際にも飲食店への時短要請はあったが、書き入れ時である冬場に要請が出されたことはない。

重点措置の適用を受け、関さんは「初めてだから売り上げがどれだけ落ち込むか分からない」と不安をのぞかせるが、湯沢町の飲食店では早い時間の利用客も目立つため、「影響は少なく済むかもしれない」との見方も示した。

関さんは「飲食店ではテークアウトし、宿で食べる方も多い。おいしい料理や飲み物を提供し、今できることをやっていきたい」と力を込めた。(永井大輔、本江希望)

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