主張

みずほ新体制 悪しき企業風土に決別を

みずほ銀行で相次ぐシステム障害をめぐり、親会社のみずほフィナンシャルグループ(FG)と同行が金融庁に業務改善計画を提出した。併せて、引責辞任するみずほFGの坂井辰史社長の後任に木原正裕執行役を充てる人事も発表した。

新体制の下での再出発である。木原氏は記者会見で、失墜した信頼の回復に「不退転の決意で臨む」と語った。

だが、これだけで再生できると信じることはできない。過去にも大規模なシステム障害を繰り返したほか、暴力団関係者への融資問題もあった。その度に再生を誓いながら果たせていないからだ。

根底には「言うべきことを言わない、言われたことだけしかしない」と金融庁に指弾された悪(あ)しき企業風土がある。縦割り意識や事なかれ主義と決別できないかぎりは、経済や社会を支えるべきメガバンクの責務を全うできまい。

そうした顧客の厳しい視線があることを新経営陣は重く受け止めるべきだ。問われているのは組織を確実に変革できるかどうかである。「今度こそ」と誓うのは、これで終わりにしてほしい。

平成入行の木原氏起用で若返りを図る。木原氏は木原誠二官房副長官の実兄で、FG社長は3代続けて旧日本興業銀行出身者だ。旧3行のバランスや政治との関係は考慮していないというが、そうあるべきなのは当然である。

業務改善計画では、システム関連の人員削減が障害の背景にある点を踏まえて追加的な人員配置などを盛り込んだ。現場と経営陣の風通しを良くする取り組みや、チェック機能の甘さが指摘された社外取締役の機能強化も行う。

問題は実効性だ。昨年6月に再発防止策を講じた後も障害は頻発した。金融庁が2度目の業務改善命令を出した後も収まらず、昨年末と今月にも障害があった。

もはや、自浄作用に頼るだけで障害の連鎖から脱することができるとは思えない。社外取締役を含む外部人材の効果的な活用は特に重要である。不断に再発防止策の成果を見極め、不十分なら追加対策も積極的に講じるべきだ。

現場の多くはみずほ発足後の入行なので、かつてのような旧行意識は減ったはずだ。それでも企業体質が問題になるのは、旧行時代を知る幹部らに内向きの発想が残っているからではないか。その点も厳しく洗い直すべきである。

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