【ワシントン=渡辺浩生】米国のバイデン政権が20日、発足から1年を迎える。党内対立で国内政治が停滞する中、対外的にはウクライナ危機に直面、崖っぷちの状況にある。露軍の侵攻を許せば、台湾統一を狙う中国の覇権追求を同盟国との連携で抑止する外交・安全保障政策の根幹が崩れかねない。
10日から行われた一連の対露協議は、ウクライナ国境での緊張が緩和することなく終わった。露軍を制止できるか否かは「すべてプーチン露大統領の胸の内」という重い空気がワシントンに漂う。
同時に、国内で続く党派対立は「外交に向ける政治的な余力がほとんどない」(国際政治学者のウォルター・ミード氏)と指摘されるほど悪化。対外危機への結束はほど遠い状況だ。