「シェアスロープ」でやさしい街に 大阪・吹田の店舗導入

車いすでも段差を気にせず入店できるシェアスロープ=大阪府吹田市
車いすでも段差を気にせず入店できるシェアスロープ=大阪府吹田市

車いすを利用する障害者ら誰もが必要なときに無料で自由に使える段差解消用具「シェアスロープ」が、大阪府吹田市内の洋食店に国内で初めて導入された。周辺店舗でも利用できるようにして地域全体をバリアフリー化し、〝やさしいまちづくり〟につながる一歩として注目されている。

導入したのは同市豊津町の洋食ビストロ「丸伍精肉店」。シェアスロープは長さ120センチ、幅70センチで重さは6キロと軽量ながら、最大耐荷重は300キロと電動車いすなどにも対応し、折りたたんで収納、持ち運びができる。同店は2台を常備している。

持ち運びができて便利
持ち運びができて便利

シェアスロープは、NPO法人「ココロのバリアフリー計画」(東京)が考案した。きっかけは同法人理事長の池田君江さんが平成19年、東京・渋谷で起きた温泉施設爆発事故に巻き込まれ、車いす生活を送るようになったことだった。

店舗に段差があっても、「やさしく対応してくれる素敵な店がたくさんある」ことに気づき、そんな店舗などが検索できるウェブサイトを作った。登録店舗は今、約2800店舗に達しているという。

そうした中、「手軽に使えるスロープが店にあったら良いな」と思って考え出したのが、シェアスロープだった。「利用店が増えれば、(車いすの)私たちが行ける店も増える」と思い描いたからだ。

運びやすいシェアスロープは要望があれば貸し出し、周辺の他店舗だけではなく、近隣の民家でも使用可能だ。「人にやさしい店が増えていけば、地域全体がやさしくなる」と池田さんは確信する。

丸伍精肉店を運営する「ジャパンクリエイトグループ」(大阪市)の五十嵐庸公(のぶまさ)会長は「新型コロナウイルス禍で飲食店は厳しい経営を強いられている。それだけに、より多くの人が来店できるきっかけにしたい」と話し、シェアスロープの活用に積極的だ。

東京でも導入する店舗が複数あるといい、今後、全国各地での普及が期待されている。

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