グロー損賠訴訟原告ら 不法行為100件を裁判所に提出

オンライン会見に臨む原告の2人=18日(「Dignity for All -社会福祉法人役員による性暴力・ハラスメント裁判の原告を支える会-」提供)
オンライン会見に臨む原告の2人=18日(「Dignity for All -社会福祉法人役員による性暴力・ハラスメント裁判の原告を支える会-」提供)

障害者の文化芸術活動推進に取り組む社会福祉法人「グロー」(近江八幡市)の前理事長から性暴力やセクハラ、パワハラを繰り返し受けたとして、元職員の女性2人が前理事長とグローを相手取って計約4250万円の損害賠償を求めて東京地裁に提訴した訴訟で、原告や原告を支援する団体が18日、オンラインで会見し、これまでの裁判の進捗(しんちょく)状況や元グロー職員へのハラスメント実態調査報告書を公表した。

被告の前理事長は北岡賢剛氏(63)で、会見は裁判開始から1年の節目を迎え、「Dignity for All ―社会福祉法人役員による性暴力・ハラスメント裁判の原告を支える会―」が開いた。

訴状によると、女性2人は7~10年以上にわたって、北岡氏から強制わいせつ行為などを繰り返し受けていた。

冒頭、原告側の笹本潤弁護士が進行協議で整理した原告らに対する不法行為が100件にのぼることを示し、「特徴は数多いことと、ホテルやタクシー内などセクハラの種類が多岐に及んでいること。原告2人は長期間にわたって(北岡氏に)狙われてきた」などと裁判の概要を説明した。また、被告側が準備書面で、ホテルでの不法行為について、「(原告が)自分から服を脱ぎ始めた」などと主張し、当初の否認を変えたことなどを明らかにした。

原告の女性は「セクハラ行為はヒアリングで上司に訴えた。しかし、軽視され、救済手段もなく、退職せざるを得なかった。グローは係争中と口を閉ざし、県は(グローを)女性活躍認証企業で2つ星とし、障害者支援施設の指定管理者に指定している。北岡氏が運営していたアメニティーフォーラムも2月に開催される。これらにも世の中の方に目を向けてほしい」と訴えていた。

次回の口頭弁論は、3月3日午前11時から、東京地裁709号法廷で開かれる。原告2人が出廷し、意見陳述する予定。

オンライン会見では、「グロー企画事業部文化芸術推進課退職者有志の会」が退職者を対象として令和3年6月に実施した職場でのハラスメント実態調査の報告書が公表された。約20項目の詳細な調査で、裁判所にも提出されている。

調査対象は原告が在籍した平成24年4月から令和元年8月の間、文化芸術推進課に在籍し、すでに退職している21人。うち14人が回答した。

「セクハラを受けたり、見聞きした」の問には、「受けたことも、見聞きしたこともない」はわずか3人。「セクハラの内容」(複数回答)は「性的な冗談やからかい」が8人(約62%)で、大半がグローの前理事長、北岡賢剛氏(63)によるものだったという。

「ハラスメントを受けたことによる生活上の変化」(複数回答)の問いには、10人(約77%)が「心身に不調がでた」と回答した。

会見で有志の会のメンバーは「結果は意外なものではなかった。北岡氏がグローで絶対的な存在だったことがわかる」と話していた。

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