置くだけで通信エリアに ドコモが新アンテナ発表

ドコモが発表した置くだけアンテナ。床に埋め込んだ電波を伝える白いケーブルの上に置くだけで、周囲が通信エリアになる=東京都江東区
ドコモが発表した置くだけアンテナ。床に埋め込んだ電波を伝える白いケーブルの上に置くだけで、周囲が通信エリアになる=東京都江東区

NTTドコモは18日までに、次世代の通信技術に関するオンライン展示会を開き、電波を伝送するケーブルの近くに置くだけで通信エリアを作り出せるアンテナを発表した。第5世代(5G)移動通信システムやその先の6Gなどで使われる高周波帯の電波を利用しやすくできるなどの利点がある。

ドコモが発表したアンテナは、高周波の電波を伝えるケーブルにプラスチックのかけらを接触させると電波が漏れ出る現象を応用した。ケーブルを埋め込んだ床や壁の近くにプラスチック片を置くと周囲が通信エリアとなる。中継器などの機器を設置する必要もなく、省電力にもつながる。

ドコモの実験では、アンテナとなるプラスチック片の大きさや形状を工夫することで電波を放射する向きを制御できたという。5Gや6Gで使われる高い周波数はまっすぐ進む力が強く、伝えるデータ量が多くなり通信速度が高まる一方で、屋内や物陰など障害物に囲まれた場所には届きにくい課題がある。

このほかにも、人の腕につけたセンサーで読み取った電気信号をロボットや別の人に伝え、同じ動きをさせるなど、次世代の通信で可能になる実用例なども展示している。ドコモの中村武宏6G・IOWN推進部長は「海外との競争は激化しており、2030年ごろと予想される6Gが実用化する時期も前倒しになる可能性がある」と話し、次世代通信に向けた技術開発の重要性を強調した。(高木克聡)

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