みずほフィナンシャルグループ(FG)は17日、傘下のみずほ銀行で起きた一連のシステム障害に伴う業務改善計画を金融庁に提出した。システム要員の確保や、障害の風化を防ぐ研修の実施などを盛り込んだ。引責辞任する坂井辰史社長(62)の後任に木原正裕執行役(56)を充てる人事も正式発表し、新体制の若返りを進め信頼回復に向けた取り組みを急ぐ。
同日会見した木原氏は「最優先すべきは、みずほのサービスを安心して使ってもらうこと。社員、現場に入り込み意見を戦わせながら、より良いみずほを作っていく」と力を込めた。
再発防止策では、システム関連の人員削減が障害の背景にあったことを踏まえ、安定稼働に向けて追加の人員配置を行うなど、適切な態勢の確保を盛り込んだ。また、障害を予防するために機器の点検や保守態勢を強化・拡充するほか、障害時の対外告知手段の増強も図る。今回のシステム障害について定期的に語り継ぐ取り組みも導入する。
金融庁に「言うべきことを言わない、言われたことだけしかしない」と批判された企業風土の改革では、部署や年代の垣根を越えた作業部会を立ち上げ、社員と経営が一体で変革に取り組む仕組みを整える。「顧客本位」の徹底に向け、社内会議資料の大幅な簡素化など内部業務を削減する。
一方、木原氏を社長に昇格させ、佐藤康博会長(69)の後任に今井誠司副社長(59)を充てる人事も併せて発表した。昨年には4月と説明していた社長交代は、坂井氏の体調不良で2月に前倒しする。
みずほFGは昨年11月、みずほ銀の一連のシステム障害で金融庁から業務改善命令を受け、坂井氏、佐藤氏、みずほ銀の藤原弘治頭取(60)の3首脳が退任し、みずほ銀頭取に加藤勝彦副頭取(56)を充てる人事を発表している。