大阪府河内長野市は、奈良県平群(へぐり)町と災害時の相互応援に関する協定を結んだ。両自治体は、鎌倉時代末期から南北朝時代に活躍した武将、楠木(くすのき)正成(まさしげ)にゆかりがある地で知られる。17日で発生から27年を迎えた阪神大震災をはじめ、最近は全国で大規模災害が相次いでいることから災害対策の分野でも連携していくことを決めた。
平成30年に正成らを題材にしたNHK大河ドラマの実現を目指す「『楠公さん』大河ドラマ誘致協議会」が設立された際、河内長野市が平群町に活動協力を呼びかけたことをきっかけに関係がスタート。その後、平群町は協議会に入会して親交を深めてきた。
今回の連携協定では、食糧、飲料水など生活必需品の提供▽職員派遣や物資、機材などの提供▽避難が必要な被災者を受け入れる施設の提供-など災害発生時に両自治体が連携していくことが規定された。両自治体はともに山間部に位置しており、がけ崩れなどの地盤崩落や倒木など、知見を共有できる課題は多いとしている。
河内長野市の島田智明市長は「地理的にも遠すぎず、近すぎずリスク分散として有効な協定になる」と期待を寄せた。一方、平群町の西脇洋貴町長は「町としての災害応援協定は2自治体目。災害時の体制として強化できた」と述べた。
市が府外の自治体と災害時の応援協定を交わすのは鳥取県米子市、和歌山県橋本市、岐阜県多治見市、奈良県五條市、王寺町に続き6自治体目。