【ソウル=桜井紀雄】北朝鮮が17日午前、日本海に向けて飛翔(ひしょう)体を発射した。韓国軍合同参謀本部は、平壌の順安(スナン)国際空港付近から2発発射され、短距離弾道ミサイルだったと分析している。日本の海上保安庁も北朝鮮から弾道ミサイルの可能性があるものが発射され、既に落下したとの見方を示した。日米韓当局が詳しい分析を進めている。
北朝鮮によるミサイル発射は今年4回目。5日と11日に「極超音速ミサイル」と主張する新兵器の発射実験を行い、14日にも「鉄道機動ミサイル連隊」が訓練として弾道ミサイル2発を発射した。
北朝鮮はこれまでも順安空港から弾道ミサイルを発射したことがある。韓国の聨合ニュースは、今回の飛距離は400キロ未満だったと伝えた。
北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記は昨年末の党中央委員会総会で新兵器開発を加速させる方針を強調。バイデン米政権が12日にミサイル発射を理由に独自の対北追加制裁を発表したことに反発し、北朝鮮は強力な対応も警告しており、短期間にミサイル発射を繰り返すことで、軍備増強路線から一歩も退かない意思を誇示した形だ。
北朝鮮が昨年1月の党大会で掲げた国防の5カ年計画に基づく兵器実験や訓練として、今後もミサイル発射を続ける可能性がある。