トンガ沖噴火 最大8万人に影響か 現状把握へ豪州など軍用機派遣 各国が支援表明

南太平洋の島国トンガ沖での海底火山噴火を受け、近隣のオーストラリアとニュージーランド(NZ)は17日、被害を把握するために現地に軍用機を派遣した。トンガ国内では最大8万人が噴火や津波の影響を受けたとの推計があるが、外国との通信が困難な状況が続き、各国が支援を表明する中、被害の詳細は依然明らかになっていない。

(シンガポール 森浩、ニューヨーク 平田雄介、北京 三塚聖平)

NZメディアによると、トンガの首都ヌクアロファがあるトンガタプ島では、津波の影響で複数の建物が浸水したり倒壊したりする被害が出ている。特にリゾート地が多数ある西岸部の被害が深刻だという。トンガの人口は約10万7千人だが、国際赤十字・赤新月社連盟(IFRC)は17日、8万人が噴火や津波の影響を受けたとの見方を示した。

豪州のセセリャ太平洋担当相は、トンガの現状について、「現段階では幸いにも多数の死傷者が出ているという報告はない」と指摘しつつ、英国人女性1人が行方不明になっていると述べた。

ただ、セセリャ氏によると、トンガタプ島以外の離島の情報は乏しいという。国際通信に利用される海底ケーブルが損傷したとみられ、復旧には数週間ほど要する見通しで、被害の詳細が判明するには時間がかかる可能性がある。

豪州とNZは軍用機派遣を通じ、被害状況の確認とともに必要な支援を把握したい考えだ。現地では火山灰が降り積もった影響で水が汚染されており、NZ政府は飲料水の提供を急ぐ方針を示した。

米国のブリンケン国務長官は15日、ツイッターで津波に見舞われたトンガの人々を「深く憂慮している」と投稿。「米国は太平洋地域の隣国を支援する用意がある」と述べた。

中国外務省の汪文斌(おう・ぶんひん)報道官は16日夜の談話で、トンガに対し、「求めに応じ、力の及ぶ限りの支援と援助を提供したい」と申し出た。中国はトンガなど南太平洋島嶼(とうしょ)国で巨大経済圏構想「一帯一路」を通じ影響力を拡大させている。

15日の噴火による津波は、約1万キロ離れた米国やペルー、チリなど米大陸の西海岸に押し寄せた。米国では西海岸のアラスカ州やカリフォルニア州で1メートル前後の津波が確認された。

同州モントレーの海岸にいた女性は会員制交流サイト(SNS)に津波が到達する様子について、「予想外の大きな波にさらわれそうになった数人が走って逃げた」と書き込んだ。

ペルーでは海水浴に来ていた女性2人が死亡。被害当時、波が異常に高く、海水浴には適さないという警告が出ていた。

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