参院選、公明が改選「1人区」で自民推薦見送り検討 〝牽制球〟に東北で波紋

会見を行う公明党の山口那津男代表=11日午前、国会内(矢島康弘撮影)
会見を行う公明党の山口那津男代表=11日午前、国会内(矢島康弘撮影)

夏の参院選をめぐり、公明党が全国32ある改選1人区を中心に自民党候補者への推薦見送りを検討していることについて、東北の自民党関係者に波紋が広がっている。東北6県はいずれも1人区で、自民は公明の推薦を受けても、直近2回の参院選で野党系に計3勝9敗と大きく負け越しているためだ。「友党」を窮地に追い込みかねない公明党の姿勢に自民党内で不信感がくすぶり始めた。(奥原慎平)

「今更、何を言っているのか。そんなことを口にすれば、自公の連立関係にひびが入りかねない」

東北選出の自民党国会議員は公明党の山口那津男代表が示した考えに、こう述べ、憤りを隠さなかった。

山口氏は15日に東北を含む地方組織幹部との会合で、参院選は1人区などで自民候補への選挙協力の見送りを検討していると明らかにした。自民が兵庫選挙区(改選数3)などで公明候補への推薦に難色を示しているためという。

1人区で公明の組織票が分散すれば、東北の自民にとってさらなる苦戦は必至だ。平成28年の参院選では秋田をのぞく5選挙区で野党系候補に敗れ、令和元年の参院選は青森と福島の2選挙区で勝利したが、4選挙区で敗退した。

山口氏の思惑について、東北のある自民党衆院議員は「自民への牽制(けんせい)のつもりなのだろう」と指摘し、「同僚議員には衆院選などで公明候補への支持をお願いすることに不満もある。こうした方針は公明にマイナスになるだろう」と自公関係の悪化を懸念する。

参院選を半年後に控えた中で、自公の選挙協力関係に亀裂が生じ始めた背景には、岸田文雄政権で自公に〝すきま風〟が吹いているためとの見方がある。18歳以下への10万円相当の給付や防衛力強化の焦点となる敵基地攻撃能力の保有などで、両党の思惑のずれは相次いで表面化している。

東北の自民県連幹部は「今の党執行部は公明党とのパイプが太くないのだろう。このままでは自公の関係がおかしくなりかねない。公明と信頼関係が厚い菅義偉前首相や二階俊博元幹事長ら、いわゆる『非主流派』の存在感が高まっていくのでは」と政局含みの混乱に不安を漏らした。

対する東北の立憲民主党は高みの見物だ。元衆院議員は「組織力でいえば自民の方が上。自公関係がこじれれば、こじれるほどありがたい」と語っている。

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