浪速風

備えの第一は知識と知恵

あの日、JRも大阪の地下鉄も止まっていて、難波から会社があった西梅田まで歩いた。四つ橋筋を通るタクシーは1台もなく、ジャリジャリと道路に落ちたガラスを踏む自分の足音はよく覚えているのに、会社に着いてからの記憶が全くない。人間とはおかしなものである

▶阪神大震災から27年を迎えた。忘れてはいけない、忘れられない、忘れたいけれど忘れない。さまざまな思いを胸に過ごす1日だ。この週末には改めて災害の怖さを思い知らされたばかりである。南太平洋・トンガ沖で起きた海底火山の大規模噴火で、日本の太平洋沿岸にも津波が到達した。3月に11年を迎える東日本大震災を思ったのはいうまでもない

▶日本は災害の多い国だ。南海トラフ地震や首都直下地震が迫るとされる一方で、阪神大震災を知らない世代は増えている。だからこそ知る人は伝える気概を、若者は知る意欲を。備えの第一は知識と知恵を持つことだ。

会員限定記事会員サービス詳細