先細る追悼行事、懸念される風化 震災27年 コロナが追い打ち

大国公園ではロウソクに灯りがともされ、祈りが捧げられた=17日午前5時24分、神戸市長田区の大国公園(南雲都撮影)
大国公園ではロウソクに灯りがともされ、祈りが捧げられた=17日午前5時24分、神戸市長田区の大国公園(南雲都撮影)

阪神大震災は17日、発生から27年となり、各地で人々が犠牲者を悼んだ。ただ、震災の追悼行事は減少傾向が続く。発生から四半世紀を超え、被災者や遺族が高齢化し震災を知らない世代が増えたのに加え、今年も新型コロナウイルスの影響で中止や規模縮小に追い込まれた行事は多い。被災者や行事を主催する団体からは、風化を懸念する声が高まっている。

「市民による追悼行事を考える会」によると、兵庫県内の追悼行事は被災20年となった平成27年時は110件だったが、それ以降は担当者の高齢化や資金難により50~60件に減少。コロナ禍の影響で、昨年時と今回は約40件にまで落ち込んだ。

17日早朝から東遊園地(神戸市中央区)で行われた「1・17のつどい」でも、コロナによる供給不足のため、昨年から竹灯籠の数が例年の半数に。昨年は来場者数が前年の半数以下に落ち込んだ。

竹灯籠を囲み、手を合わせて黙とうする人々=17日午前5時46分、神戸市中央区の東遊園地(恵守乾撮影)
竹灯籠を囲み、手を合わせて黙とうする人々=17日午前5時46分、神戸市中央区の東遊園地(恵守乾撮影)

つどいの運営は来場者の寄付金などでまかなわれるため、運営資金が逼迫(ひっぱく)。実行委は振り込みによる寄付も募ったが、十分な金額は集まっておらず、数年以内に資金が底をつく恐れもあると危機感を募らせる。

犠牲者追悼のため毎年12月に開かれる「神戸ルミナリエ」は、昨年も前年に続いて中止となった。震災が発生した7年から続く行事だが、観客の行列ができ、3密が避けられないと主催者側が判断した。

コロナ禍で迎える2回目の1・17となった今年、追悼イベントを行う地域や学校の中には、感染対策を取りながら例年の形に戻そうという動きもみられたが、新変異株「オミクロン株」への警戒から直前まで開催可否を検討したところもある。

同会の世話人、計盛(かずもり)哲夫さんは「厳しい状況だが、それでも犠牲者を追悼し、震災の記憶を伝えていこうという人がたくさんいる。日ごろから身近なところで活動していくことが重要だ」と話している。

【フォト特集】 コロナ禍 追悼の祈り 阪神大震災27年

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