コロナに関して、ぼくが最も信頼している木村盛世さん(医師、元厚生労働省医系技官)にオミクロンについて聞くと、ひと言。「ただのカゼでしょ」
なのに、今週も各誌、オミクロン、オミクロン。
『週刊文春』(1月20日号)「海外最新データで判明 オミクロンの正体」
『週刊新潮』(1月20日号)「『重症化しない』は高齢者・持病もちにも言えるのか 正しく警戒『オミクロン』対処法」
『ニューズウィーク日本版』(1・18)「新型コロナが『ただの風邪』になる日」(表紙は「コロナの最終章?」)
〝コロナ怖い派〟の『文春』でさえ、〈イギリスは年明けに新規感染者数が二十万人を突破。だが死者数は約五十人(一月四日)だ。日本も連日千人前後の新規感染者が出ている沖縄の重症者数はゼロ(一月十日時点)〉
では感染者はどこまで増えるのか。
『新潮』、名古屋工業大学先端医用物理・情報工学研究センター長、平田晃正教授によると、
〈「以前の予測より2週間ほど早まって2月上旬、感染者数は少なく見積もっても5000人に達するのではないでしょうか」〉
沖縄、北部地区医師会病院の田里(たさと)大輔医師(呼吸器・感染症科)は感染者急増に備えて、隔離するための宿泊施設を増やす必要があると警告。
その沖縄でも〈感染者のうち無症状者と軽症者が92%を超える(中略)人工呼吸器の装着者はゼロ〉だという。
やっぱり「ただのカゼ」だ。
『ニューズウィーク日本版』も慎重な言い回しながら、
〈オミクロンは、新型コロナウイルスの最後の変異株にはならないが、最後の「懸念される変異株」になる可能性はある〉
「ただのカゼ」にしたって、高齢者や基礎疾患を持っている人が十分注意すべきなのは言うまでもあるまい。
『週刊朝日』(1・21)は「まるっと一冊パンダだらけ」で表紙、グラビア6ページ、本文11ページの大特集。
ま、かわいいからいいか。
(月刊『Hanada』編集長)