16日午前3時ごろの津波警報発令後、岩手県釜石市の高台にある寺「仙寿院」には、近くに住む人たちが車や徒歩で集まってきた。同市は2011年3月の東日本大震災の津波で大きな被害を受けた。市内に鳴り響くサイレンに「震災を思い出す」と不安そうな表情を浮かべる人もいた。
「高い波が来ます。すぐに高いところに逃げてください」。放送とともに消防車や津波警報のサイレンが入り交じり、物々しい雰囲気に包まれた。厳しい寒さの中、避難してきた人たちは防寒具に身を包み、心配そうに寺の敷地内から町を見つめていた。
妻と徒歩で逃げてきた斎藤治朗さん(79)は「万が一に備えて避難した。震災を思い出すし、不安だ」とテレビの映像を見つめた。
一人で避難してきた、近くに住む80代女性も「家族に心配をかけたくないから」と警報発令後すぐ、徒歩での避難を決めたという。