主張

新型コロナ2年  収束へ経験と反省生かせ

新型コロナウイルスの感染者が国内で初めて確認されたのは、令和2年の1月15日だった。

以来2年にわたり、感染防止に向けた戦いが続けられている。現在は新たな変異株、オミクロン株の感染が急拡大しており、コロナ禍の本格収束の時期は見通せないままだ。今後の対策については、この2年間の経験と反省を生かさなくてはならない。

官房長官、首相としてコロナとの戦いで陣頭指揮を執ってきた菅義偉氏は13日付の本紙インタビューにこう答えていた。「(ワクチンの)接種開始が海外より3カ月遅れたのは大きな反省点です」

菅氏はその理由に、国内治験を強く求められたことをあげ、「緊急時は政府の責任で『国際的な治験のみでよい』と判断できる仕組みを作ったほうがいい」とも述べた。この一事に、反省は集約される。平時と緊急時の切り替えが利かず、政府の責任を前面に出せなかったことだ。

反対に政治がリーダーシップを発揮したのは、ワクチン接種のスピードだった。政府が批判の声を押し切る形で「1日100万回」の目標を掲げて接種に邁進(まいしん)し、開始の遅れを取り戻した結果が第5波の沈静化に結びついた。

この経験と反省を、岸田文雄政権は受け継いでいるか。政権100日目にあたる11日に岸田首相は「スピード感をもって、山積する課題に一つ一つ決断を下し、対応してきた」と述べた。

果たしてそうか。ワクチン3回目接種の時期について2回目からの間隔を8カ月から7カ月に前倒しし「できるだけ6カ月に」とさらなる短縮を模索しているが、このスピード感では、十分に予測されたオミクロン株の感染急拡大への対応策にはなり得ない。

危機管理の抜本的強化に向けた目玉法案だったはずの感染症法改正案は「6月までに中長期的な課題を洗い出す」として通常国会への提出を見送る方針という。新型コロナ禍の初期に特別措置法の抜本的改正を先延ばしし続けたことへの反省はないらしい。

濃厚接触者の待機期間について政府は原則14日間から10日間、介護職らは6日間に短縮する方針を決めた。オミクロン株の特性を見極めた判断であり、さらなる短縮も見込める。事態の変化に即応できる政府であり続けてほしい。君子の豹変(ひょうへん)は歓迎する。

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