CARストーリー

走る喜び スバルBRZ

フルモデルチェンジしたスバルBRZ。顔つきは少しやさしくなったが、走りはより研ぎ澄まされドライバーとの一体感が味わえる=神奈川県箱根町(ソニーα1 FE70-200mm F2.8GM)
フルモデルチェンジしたスバルBRZ。顔つきは少しやさしくなったが、走りはより研ぎ澄まされドライバーとの一体感が味わえる=神奈川県箱根町(ソニーα1 FE70-200mm F2.8GM)

昭和58年にデビューし、今や伝説のスポーツカーとなった初代86(ハチロク)。スマホはもちろんガラケーもない時代、マイカーは若い世代のあこがれだった。時は流れ、地球温暖化という言葉が広まり、クルマ作りも環境への配慮が最優先の課題となる。そんな中、スバルとトヨタの技術を結集して生み出されたスポーツカーがBRZとGR86だ。「走りを極めれば安全になる」、スバルが掲げるクルマづくりの哲学を感じてみようと新型BRZに試乗した。

(土井繁孝、写真も)

流れるようなシルエットがスポーツカーらしさをアピールする
流れるようなシルエットがスポーツカーらしさをアピールする

86のニックネームで呼ばれたカローラレビン・スプリンタートレノが、生産中止になったのは昭和62年。レビン、トレノの名前は残るものの駆動方式はFRからFFとなり、ニックネームも92に変わった。

MT車のようなスポーティーなシフトレバー
MT車のようなスポーティーなシフトレバー

それから25年が過ぎた平成24年、FRスポーツカーを復活させようとスバルとトヨタが共同開発したのが初代BRZと86だ。幅広い世代から支持を得て全世界で、32万台超を販売した。FRスポーツを代表する2台が9年ぶりにフルモデルチェンジ、より魅力を高めてクルマ好きの人気を集める。

スバルとトヨタの技術を融合した水平対向ボクサーエンジン
スバルとトヨタの技術を融合した水平対向ボクサーエンジン

試乗したBRZはAT車を選んだ。MTが販売台数の6割を超えるが、最近のAT車はスポーツモードの性能が向上し十分に走りを楽しめる。

ATにはスバルが誇る運転支援システム「アイサイト」が搭載される。高速道路などの長距離ドライブで威力を発揮するが、ステアリング支援などは行わない。レヴォーグのアイサイトXに比べると性能は劣るが、スポーツカーをうたうBRZには、十分な内容だろう。

ボクサーエンジンにはスバルとトヨタの名が刻まれる
ボクサーエンジンにはスバルとトヨタの名が刻まれる
4気筒NAで235馬力を生み出すボクサーエンジン
4気筒NAで235馬力を生み出すボクサーエンジン

今回は箱根のワインディングロードを走ってみた。2・4リッター水平対向4気筒ボクサーエンジンは235馬力とパワーに不満は感じない。

スポーツカーらしく黒をを基調にしたタイトな運転席
スポーツカーらしく黒をを基調にしたタイトな運転席

ドライブモードを、スポーツに設定すると、エンジンの回転数を高めに保ち気分を盛り上げる。コーナー進入時のブレーキングで回転数が落ちるとすぐにシフトダウン。派手なエンジン音が聞こえてくるが、スピーカから疑似音を流しているそうだ。

10本スポークのホイールに収まる18インチのミシュラン・パイロットスポーツ4
10本スポークのホイールに収まる18インチのミシュラン・パイロットスポーツ4

山道では、ワゴンやSUVにはない安心感があった。F1マシンなどで〝吸いつくような走り〟と形容されるが、言葉通り、ジェットコースターのようにアスファルトに敷かれた軌道を走っている気分。

大きく張り出したリアフェンダー
大きく張り出したリアフェンダー

さらにサーキット走行にも対応するトラックモードがあり、よりスポーティーな走りもできるが筆者の腕では手にあまるだろう。

迫力あるリアビューを生み出す2本出しのマフラー
迫力あるリアビューを生み出す2本出しのマフラー

人気に陰りがみえるスポーツカーだが運転すると、改めてその魅力に気づく。メカを使いこなすという人間の本能ともいえる欲求に対峙(たいじ)させてくれる。コロナ禍のなか、制約のある日常が続くが、気分転換できるような趣味を持つことの大切さを実感した。


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