産経抄

1月15日

インタビューに応じる海部俊樹元首相=2010年11月25日午後、東京・永田町
インタビューに応じる海部俊樹元首相=2010年11月25日午後、東京・永田町

海部俊樹元首相の演説を初めて聴いたのは、首相退任から4カ月ほどたつ平成4年3月のことだった。さわやかで聴衆をわっと沸かす名調子に、「やはり話がうまいものだ」と感心した。早大雄弁会で「海部の前に海部なし、海部の後に海部なし」と呼ばれた演説巧者だけのことはあった。

▼ただ、不思議と中身は記憶に残らなかった。首相時代は自民党の小沢一郎幹事長(当時)らに「軽い神輿(みこし)」と担がれ、「重大な決意」と述べて衆院解散を決断した際には、党からの猛反対で解散権を封じられた。そんな弱い首相だったとのイメージで、偏見があったのかもしれない。

▼ところが今、海部氏が民主党政権時代の平成22年に出した回顧録『政治とカネ』を読み返すと、生々しい筆致に妙味を覚える。「重大な決意」発言は実は口にしておらず、解散を求めるある政治家が、訳知り顔で記者にそう伝えたのが真相なのだという。

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