脂肪肝や脳梗塞など幅広い病気の治療への応用が見込まれるタンパク質「AIM(エー・アイ・エム)」が注目を集めている。昨年、ネコの腎臓病治療に応用する研究への寄付が相次いだことで広く知られるようになり、人間用のサプリメントの開発も進む。東京大大学院医学系研究科の宮崎徹教授は「体内のゴミを片付けるという同じメカニズムで解決する病気がたくさんある」と話している。
ネコの腎臓病に効果
AIMは宮崎氏が平成年に発見したタンパク質。名称は「apoptosis inhibitor of macrophage」の頭文字をとったもので、「白血球の一種であるマクロファージのアポトーシス(細胞死)を抑制するもの」という意味になる。動物の血液中に存在し、死んだ細胞や異常なタンパク質などの老廃物に付着する性質があり、マクロファージはAIMを目印にそれらを捕食することで、体内で不要な物を掃除して健康な状態に保っている。