チーム学校~取材の現場から

地域の大人すべてが一員だ

昨年8月から12月までの連載「チーム学校~支援の現場から」には多くの反響が寄せられた。目立ったのは、「他にも『チーム学校』として取り上げるべき職種がある」との指摘だった。

「学校事務職員も、チーム学校の一員として働いています」。こんなメールを寄せてくれたのは、公立小学校の校長(60)だ。同校では、遅刻をした児童は必ず職員室に寄ることになっており、事務職員が声をかけて教室に送り出す。その際の様子や保護者からの電話で気づいたことを教員に伝え、支援に役立てているという。

同校の事務職員からその後、校長を通じて文章が届いた。自分が貧困であることを理解していなかったり、あきらめたりしている子供もいるといい、「いかに寄り添い、前を向ける力を養っていけるか。職員全体が同じ方向を向くことが、チーム学校を機能させる第一歩」と記されていた。事務職員として、就学援助を受ける家庭の貯蓄が尽きて銀行振り替えができなくなっていないかに目を光らせ、学費負担を減らすことはできないかと心を砕いているという。

また、大阪市学校薬剤師会の佐々木実副会長(53)からは「学校薬剤師は、学校内の環境衛生の指導助言を行い、体調や教育環境が悪化しないように支えている」とのメールが寄せられた。新型コロナウイルス下でも、換気状況の測定などを担う。

感染力の強い新変異株「オミクロン株」が急速に拡大した今月上旬には、養護教諭から「心配だ」との相談があり、対応について助言したという。どこまでの感染対策が必要なのか、教員同士で意見が分かれることも多いといい、陰で教員らを支えている。

2年間に及ぶコロナ禍で社会全体のストレスは膨れ上がり、子供を取り巻く状況は深刻さを増している。全国の児童相談所が令和2年度に児童虐待として対応した件数は、過去最多の20万5044件。同年度の小中学校の不登校数は19万6127人、小中高校から報告のあった自殺者数は415人で、これらも過去最多となった。

さまざまな困難を抱える就学後の子供に手を差し伸べる際、学校は一番のセーフティーネットとなる。実際に、学校を通じてさまざまな職種の人たちが子供の支援に関わっており、それぞれに専門性と自負を持って職務を遂行している。

それでも救われない子供はむしろ増えており、命の危険にすらさらされているのが現状だ。専門職との連携をこれまで以上に強化するだけでなく、子供たちを見守り、声をかけ、何かあれば助けようと身構える大人の目を増やす必要がある。子供を取り巻く地域の大人すべてが「チーム学校」の一員として関わる、そんな社会を目指したい。(加納裕子)=おわり

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