進むデジタル化 リテラシー議論 NIE学会大会開催

日本NIE学会での発表を振り返る岡山県立岡山南高新聞部員
日本NIE学会での発表を振り返る岡山県立岡山南高新聞部員

教育に新聞を活用するNIE(教育に新聞を)の実践方法や成果を話し合う日本NIE学会第18回大会が昨年12月5日、新型コロナウイルス感染対策のためオンラインで開催された。教育現場にデジタル機器が急速に広まっていることを踏まえ、正確な情報を見極める能力の育成や、NIEの意義や課題について全国の教員や研究者が議論した。

大会テーマは「新聞活用のこれまでとこれから~コロナ禍で変わる教育と新聞のかたち」。

新聞の役割を議論するシンポジウムでは、新聞、研究、教育の関係者がそれぞれの立場で発言した。

立命館大産業社会学部の浪田陽子教授は、教え子の大学生の間に「情報は無料で得られる」という誤解や、新聞、ジャーナリズムへのネガティブなイメージが広がっていると指摘。そのうえで、メディアリテラシーについて「日本では、情報の『噓』を見抜くスキルばかりが強調されるが、だれがどう情報を出しているか背景を理解し、最終的には自らの意見を持って発信することが大切」と訴えた。

また、教師も新聞を読まない世代に入っていることを認識し、新聞社と学校が連携を深め、教師の力量を高めていくべきだとも述べた。

実践発表では、お茶の水女子大付属中(東京)の渡辺光輝教諭が新聞記事の電子版のデータベースを活用した授業について紹介した。生徒が東京五輪のボランティアをめぐる過去3年分の記事をデータベースから拾い、内容の変遷を調査。浮き彫りになった社会課題などを文章にまとめた。

渡辺教諭は「新聞記事の最大の特徴は即時性だ。生徒たちは新聞を通じて、世の中の今を読むことの価値を感じ取ったのでは」と分析した。

奈良女子大付属中等教育学校のメディア研究班(高校生)と岡山県立岡山南高新聞部は、東京五輪に関する新聞記事について分析した。

岡山南高新聞部は、全国紙から地元の地方紙まで、五輪に関する社説を比較。英国や中国でどう報道されたかも紹介した。

発表したメンバーは「私たちが日常生活の中でさまざまな『がまん』を強いられている中で、なぜオリンピックだけが開催されるのか、疑問を抱いていたが、さまざまな報道を分析していくことで、多様な視点を知ることができた」と意義を語った。

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