主張

コロナ禍の入試 不安払拭に各校の工夫を

新型コロナウイルス感染拡大の中で本格的な入試シーズンを迎えた。国公立大などの入試の第一関門となる大学入学共通テストが15、16日に行われる。

感染防止対策はもちろん、受験生の不安を払拭し、力を発揮できるよう各校は十分な配慮をしてもらいたい。

大学入学共通テストは、私立大学の一部も利用している。文部科学省は、新型コロナ感染や濃厚接触のため共通テストを本試験、2週間後の追試験とも受けられなかった受験生を対象に、各大学の個別試験で合否判定できるよう救済策を発表した。

オミクロン株の急速な流行で受験生の不安が増しているのは確かだ。可能な限り受験機会を失わせない配慮は当然理解できる。

対象者が共通テストを結果的に免除されることに対し、「不公平になる」といった批判には首をひねる。

文科省は、救済策が適用されるには診断書が必要なほか、他の受験生と比べ合否判定で有利にならないことなどをホームページで説明している。

受験生は疑心暗鬼にならず、睡眠を含め健康に気をつけ、試験に集中してほしい。

大学側にも「合否基準をどうするか」など、方針変更に戸惑いもあるようだが、2月の個別試験まで、まだ時間がある。

不安を抱える受験生のため、入試方法について配慮、工夫することは各大学の魅力にもつながるはずだ。コロナ禍での入学後の教育内容、経済的に困窮する学生への支援などを含め、十分な情報発信に努めてもらいたい。

入試をめぐる不安の背景には、文科省の方針が一貫していないとの不信があるのは否めない。昨年12月下旬には、オミクロン株の濃厚接触者の受験をめぐり、方針を撤回したばかりだ。

当初は指針で本試験受験を認めず追試験などで対応するよう求めたが、検査結果が陰性など条件を満たせば別室受験を認めるよう改めた。反発が多く首相の指示を受け再検討した。高校や受験生側の意見を十分聞いていたのか。

すでに私立中学入試が行われている地域もある。塾や予備校も、感染対策に細心の注意を払ってもらいたい。

受験生には、困難も糧に、サクラを咲かせて、と祈りたい。