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松本白鸚、2月に最後の「ラ・マンチャの男」 見果てぬ夢に自身重ね

平成24年8月の帝劇公演より(東宝演劇部提供)
平成24年8月の帝劇公演より(東宝演劇部提供)

歌舞伎俳優でテレビドラマや演劇などさまざまなジャンルで活躍してきた松本白鸚(はくおう、79)が半世紀以上にわたり、主役を演じてきたミュージカル「ラ・マンチャの男」が今年2月、東京・日生劇場でファイナル公演を迎える。昨年末、都内で制作発表会見が開かれ、白鸚は「劇場に切符を買って見に来てくださったお客さまがいたからこそ、この『ラ・マンチャの男』は続いている。お客さまの力だと思う」と、感謝の言葉を述べた。

日本初演は昭和44年、落成して間もない帝国劇場で上演された。当時、市川染五郎を名乗り、26歳だった。翌年には日本人として初めてブロードウェーに招かれ、米ニューヨークの劇場で海外の役者と共演。全編、英語で演じ、米国人の観客からカーテンコールの拍手を浴びた。

「ラ・マンチャの男」は、ひたすら〝あるべき姿〟を求めて、「見果てぬ夢」を追い続けて死んでいく男の物語だ。「見果てぬ夢」はこの作品のテーマであり、主題歌のタイトルにもなっている。初演から30年となった平成11年の公演プログラムには、こんな思いを寄せている。

「その三十年の間、舞台で、『ラ・マンチャの男』を演じていない時でも私の心の中には、ドン・キホーテが生き続けておりました。いささか大仰に言えば、私は実生活においてもずっと『ラ・マンチャの男』のドン・キホーテを演じ続けていたのかも知れません」

令和元年には通算上演回数が1300回を突破。初演から53年となる今年のファイナル公演の大千秋楽(2月28日)で総上演回数は1332回となる。

制作を手掛ける東宝の池田篤郎常務執行役員は「一人の俳優が半世紀以上にわたり、同じ役を演じ続けるという世界でも例を見ない、大変な偉業」と称賛した。

白鸚は「50年以上やってきたので、この作品のテーマと俳優、白鸚の生き方が一緒になったと感じる。あるべき姿のために戦う心を失わないように、と今までやってきた」と振り返った。そしてこう続けた。

「このミュージカルは夢がかなわない、負けるとわかっている戦いでも男はときに戦わないとならないということをテーマにしているが、自分の生き方がテーマと同じように感じられることがある」

ファイナル公演の千秋楽を迎えた後は「もぬけの殻となって、しばらくは歌舞伎俳優としての見果てぬ夢とかいろいろなことを考える気持ちもなくなるのでは」と吐露した。

今回、ドン・キホーテが〝麗しの姫〟と慕うアルドンザ役を娘の松たか子(44)が演じる。作品について「(舞台が暗く、ひげもじゃの荒くれ男たちがいて)小さい時はとにかく怖い」と思ったという。一方で「人の心が動いているさまを見ているという感動があった。なぜかひきつけられる舞台だった」とも。

松は「いただいたチャンスを使い切りたい。自分を使い果たして、この公演に臨みたいという思いで出させていただく。自分のベストを尽くしたい」と、父親のファイナル公演に花を添える覚悟を語った。

白鸚は、主題歌「見果てぬ夢」を、息子を信じて常に応援してくれた亡き父(初代白鸚)やミュージカル俳優として見いだしてくれた恩師(劇作家の菊田一夫)へのレクイエムのつもりで歌っているという。

白鸚は「俳優というのはいくつになっても、お客さまの苦しみ、悲しみを希望や勇気に変えて差し上げるのが務めだと思っている。作品を通して、あるべき姿のために戦う男というメッセージを伝えたい」とファイナル公演への意気込みを語った。

2月6~28日。公演への問い合わせは東宝テレザーブ、03・3201・7777。

ラ・マンチャの男 スペインの作家、セルバンテスの小説「ドン・キホーテ」を原作とし、米劇作家のデール・ワッサーマンが脚本を、米作曲家のミッチ・リーが音楽を手掛けたミュージカル作品。16世紀末のスペイン・セビリアの牢獄が舞台。ブロードウェー初演は1965年。翌年、トニー賞ミュージカル作品賞など計5部門を受賞。