電力小売り事業者に淘汰の波

国内の大手電力会社でつくる電気事業連合会の池辺和弘会長(九州電力社長)は14日、東京で開いた定例記者会見で「電力は日常生活や経済活動に不可欠なもので、供給する小売り事業者の経営体力、財務基盤は大事な点だと思う」と強調した。ただ、日本でも同種のテストを実施するべきか否かについては「競争政策にも関わるもので、軽々には申し上げられない」と明言を避けた。

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電力自由化の下、多くの電力小売り事業者が競争する環境は、理想的に機能すれば、サービスの洗練や、価格抑制圧力が働き、消費者にとってメリットが大きい。

ただ、現実はそこからは遠い。それどころか、新規参入組の多くは発電設備を持たないため市場価格高騰などの荒波にもまれ、脱落するケースが少なくない。

昨年3月には、新電力大手の「F-Power」が経営破綻したほか、経営難を理由に、撤退や縮小を決める事業者が相次ぐ。顧客には契約切り替えなどの手間や、予期せぬ電気料金の負担増など実害が生じることになる。

国内で電力事業に参入するには、経済産業相から許可を得るか、登録を受ける必要がある。

電力小売り事業では、不十分な需要想定や、供給能力を確保できる見込みがない場合などを除き、登録が認められる。一方で、大半が許可制の送配電事業では「長期的に継続して(事業を)遂行するための設備資金や運転資金などの調達」が可能なことが求められる。もちろん、電力小売り事業への新規参入者も、財務面のチェックを受ける。とはいえ、送配電事業と比べると厳しさに欠ける。

業界関係者は「薄利多売の電気事業を営むに足る十分な基盤を持たないプレーヤーを安易に呼び込んだツケが回りつつある。政府は自由化の功罪を総括すべきだろう」と指摘する。(中村雅和)

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