医療ビル入居詐欺 9億円被害を訴える男性「人生狂わされた」

大阪府警本部=大阪市中央区
大阪府警本部=大阪市中央区

医療法人のビル入居話を悪用したとされる詐欺事件で、大阪府警などに逮捕されたコンサルティング会社代表取締役、椎葉俊尚容疑者(56)から別に約9億円の詐欺被害を受けたと訴え、一部を刑事告訴しているビルオーナーの男性は、「巧妙な手口で詐欺だとまったく気づかなかった。人生を狂わされた」と産経新聞の取材に当時の状況を振り返った。

医療コンサルタントとして活動していた椎葉容疑者から平成27年ごろ、「医療法人を入居させるためには居抜きのビルを探したほうがいい」と勧められた。その言葉に従ってビルを購入すると、すぐに入居契約する医療法人が決まったと伝えられた。

さらに「医療法人の希望を踏まえた改修工事が必要。工事の発注は自分がするので、費用を負担してもらいたい」と説明され了承。工事業者の選定なども椎葉容疑者に一任した。

工事現場を見学すると、椎葉容疑者が業者を紹介してきた。「工事は順調」と強調したが、いくら待てども工事は完了しなかった。「資材の調達に時間がかかる」という言葉も信じたが、30年10月ごろ、医療法人が支出していたと思い込んでいたビルの賃料支払いが滞った。椎葉容疑者とも連絡がつかなくなった。

医療法人に直接連絡すると、「契約の事実はない」と伝えられた。椎葉容疑者から受け取った医療法人名義の入居申込書や印鑑証明書なども全て偽造だった。すでに椎葉容疑者に工事代やコンサルタント料として約9億円を支払っていた。

「戻れることなら、以前の生活に戻りたい」。男性は今も怒りと後悔の念を抱き続けている。

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