健康カフェ

(216)減量とその維持には動機が大切

年末年始のごちそう続きで、体重が増えてしまったという人も多いことでしょう。今年こそ運動を続けよう、減量を成功させよう、と頑張り始めた人もたくさんいるのではないでしょうか。

糖尿病で通院している60代後半の女性患者さんが「私、真面目に減量することにしたの」とお話になりました。最初のきっかけは、やはり少し体重の多い息子さんと減量の競争を始めたことのようです。息子さんは続かずにやめてしまったそうですが、ご自身は続けているようです。どのようにして続けておられるのか尋ねると、ある程度減量が成功した時点で、洋服を小さいサイズに買い替えたと教えてくれました。着られなくなるのが嫌なので、自然と食事に気を使ったり、歩くことが増えたりしているそうです。

減量や運動のきっかけは、容姿と健康の面からということが多いようです。それなりに強い動機があると減量は成功しやすく、多くの人はある程度の体重を減らすことには成功します。しかし、減った体重を維持するという段になると非常に難しくなります。これは運動についても言えることです。

欧州の国々で、減量に一時的に成功したものの、リバウンドしてしまった人たちについて調査した研究があります。それによると体重に関する感情を制御することの難しさがリバウンドにつながっているようです。例えば減量した体重を維持している間に気分の落ち込みや疲弊感があったり、嫌なことを食べることで埋め合わせたりするようなことがある人ほど体重がリバウンドしています。

こういった人には、さまざまな減量方法を試している場合が多いという特徴もあります。しかし減量に関する感情の制御や動機の維持の大切さを理解せず、やみくもに試していてもリバウンドからは逃れられないでしょう。

そういった観点からも、この女性患者さんのように体重を維持することに楽しさを見いだすことは、よい手段といえます。運動についても、健康のために渋々やるのではなく、やることで楽しさや達成感が得られるスポーツのようなものが勧められます。減量しようという人は、減った体重を維持するとき、いかにして気持ちを保つかということまで考えながら始めるのがよさそうです。そのときに楽しく運動も続けられていると、よりリバウンドしにくくなります。

(しもじま内科クリニック院長 下島和弥)