【ワシントン=塩原永久】米通商代表部(USTR)のタイ代表は12日、中国による不公正貿易に対抗するため、日本と欧州連合(EU)との連携を強化する方針を示した。トランプ前米政権から引き継いだ日米欧3カ国・地域の枠組みを活用し、対中圧力を強める具体的な成果を探る。
タイ氏は、アイルランドのシンクタンクが主催したイベントで、オンラインで講演した。EUなど「民主主義の価値を共有」する友好国・地域と協力を深め、中国による「有害かつ非市場的な慣行」に対抗すると強調した。
また、不公正貿易をはじめとする「グローバルな課題に対処する」ため、日米欧のパートナーシップを刷新したと指摘。2022年を通じて、3カ国・地域の枠組みによる対中包囲網の強化に意欲をにじませた。
トランプ前米政権時代、中国による鉄鋼の供給過剰問題などを念頭に、日米欧の閣僚級が会合を開き、対応策を探った経緯がある。
3カ国・地域の貿易相は昨年11月、20年1月以来となる会合をオンラインで開催していた。タイ氏は講演で、日米欧による取り組みが進展することを「楽しみにしている」と強調した。