原油価格、再び上昇基調 ガソリンや灯油に上げ圧力

原油価格が再び上昇基調を強めている。12日のニューヨーク原油先物相場は、指標となる米国産標準油種(WTI)の2月渡しが一時1バレル=83・10ドルまで上昇し、昨年10月につけた約7年ぶりの高値水準である1バレル=85ドル台に近づいた。新型コロナウイルスの新変異株「オミクロン株」が世界の原油需要を押し下げることへの過度な警戒感がこのところ薄れてきたことが底流にある。原油高は消費者に身近なガソリンや灯油への上昇圧力につながる。

WTIは12日、前日比1・42ドル高の1バレル=82・64ドルで取引を終えた。終値としては、昨年11月9日以来約2カ月ぶりの高値水準。

WTIは昨年10月下旬に一時1バレル=85ドル台に急伸。その後のオミクロン株の出現で一転、60ドル台に下落したが、昨年末以降は上昇基調が鮮明になっている。オミクロン株は感染力が強く世界各地で新規感染者数を押し上げている半面、重症化リスクは低いとされる。オミクロン株による原油需要への悪影響は限定的との見方から、買い安心感や強気心理が高まっている。

市場関係者の間では、当面のWTIの値動きについて「(昨年秋につけた)1バレル=85ドル前後を狙ってくる可能性はある」(国内アナリスト)との声もあり、先高観が意識されている。

原油価格が上がれば、原油と連動しやすいガソリンや軽油、灯油などの価格に上昇圧力が再び加わる。

政府は3月末までの時限的措置として、ガソリンなど燃料の価格高騰を抑える支援策を用意。全国平均のガソリン価格が1リットル当たり170円を超えた場合に、元売り会社などに補助金を支給して卸売価格の上昇を抑え、小売価格の急騰に歯止めをかける。ガソリン価格の値上がりが続けば、支援策発動が視野に入る。(森田晶宏)