朝晴れエッセー

母の着物と四代目・1月13日

1年半ほど前、米寿を待たずして逝ってしまった母は着物が大好きな人でした。

入学式、卒業式といえば黒の羽織を着た母親が勢ぞろいした昭和30年代、母の一番のおしゃれは着物を仕立てることでした。

着物を着た母は上品で貫禄があり、まだ小学生だった私が「授業参観に着物を着て来て」とねだるほど、着物が似合う自慢の母でした。

そんな母を持ったにもかかわらず、私は着物には不調法でした。が、幸いにも孫にあたる私の娘がその血を受け継いでくれ、社会人になると呉服店に就職し、着物の知識や着付けを学んでくれました。母は大変喜び、孫と着物の話をするときはそれはそれはうれしそうにしていました。

そんな娘はかねてから将来、子供ができたら節目節目には着物を着たいと話していましたが、ようやく昨年、娘は女の子を出産し無事にお宮参りの日を迎えました。

和ダンスから着物を引っ張り出し、2人で当日着る着物を相談。私が選んだ着物は偶然にも母が娘のお宮参りの日に着てくれた着物でした。

そして娘の選んだ着物はこれまた母が40代の頃好んで着たもので、しかもその後私も気に入り何度か袖を通した着物。それを今回三代目の娘が着てくれました。

この姿を母に見せたかった。どんなにか喜んでくれたろう。孫の名前と同じ「心晴(こはる)」日和の一日、真っ青な空を眺めながら四代目の孫がまたこの着物に袖を通してくれる日が来るのだろうか。

そんな遠い未来に思いをはせ、孫の健やかな成長を願った一日でした。

高柳和子(67) 東京都足立区