英国が水際対策を緩和 ジョンソン首相、感染抑制「効果は限定的」

12日、英議会で発言するジョンソン首相=ロンドン(ロイター=共同)
12日、英議会で発言するジョンソン首相=ロンドン(ロイター=共同)

【ロンドン=板東和正】英政府が新型コロナウイルスの新変異株「オミクロン株」の感染拡大を受けて導入した水際対策の緩和に踏み切った。ジョンソン政権は感染の抑え込みに対する水際対策の効果は限定的とみて、経済的影響を最小限にするためにも緩和を判断した。

英政府はオミクロン株拡散の対応として、昨年12月初旬から12歳以上の全入国者に対し、出国前2日間以内に実施したPCR検査などの陰性証明の提出を義務付けていた。

だが、政府は人口の大半を占める英南部イングランドで今月7日からワクチン接種の完了者や18歳未満の入国者に対し、渡航前の陰性証明の提出を免除。入国後の自主隔離も不要にした。入国後に必要だったPCR検査も、9日からは簡易検査で代替できるようにした。

英国ではオミクロン株の拡大に伴い、1日当たりの新規感染者が連日10万人以上に上っている。国内在住者同士の接触による感染が主流になったとみられ、ジョンソン首相は「(水際対策の)措置が感染の増加に与える効果は限られる」との見方を示した。

緩和には経済的打撃を和らげる狙いもある。英国では水際対策を強化した時期が、旅行者が増える年末年始の休暇シーズンと重なり、旅行業界の経営悪化が懸念されていた。