妊婦診察拒否した西安の病院を3カ月の閉鎖処分

妊婦の死産が問題になり、閉鎖処分になった病院=6日、中国陝西省西安市(共同)
妊婦の死産が問題になり、閉鎖処分になった病院=6日、中国陝西省西安市(共同)

【北京=三塚聖平】新型コロナウイルス流行でロックダウン(都市封鎖)が続く中国陝西(せんせい)省西安市の衛生当局は13日、防疫措置を理由に妊婦の診察を拒否した病院を3カ月の閉鎖処分にしたと発表した。習近平政権の「ゼロコロナ」政策に基づく防疫措置に一部で不満が生じており、厳しい処分で批判をかわす狙いとみられる。ただ、医療逼迫につながりかねず、処分に疑問の声もある。

処分を受けたのは「西安高新病院」。1月1日夜に妊娠8カ月の女性が腹痛のため同院に行ったが、PCR検査の陰性証明の期限が4時間過ぎていたために受診を拒まれた。女性は屋外で2時間待たされた末に死産した。病院の対応に批判が噴出し、西安の衛生当局幹部が謝罪する事態となっていた。

当局は、処分理由を「責任感が希薄で、救命や治療の職責を果たすことができていない」と説明。病院幹部の停職処分も発表した。

西安の別の病院も3カ月の閉鎖処分を受けた。香港メディアによると、狭心症の発作を起こした男性が同病院に行ったが、「中リスク地域」に住んでいたためにすぐに治療を受けられず死亡するケースがあった。

西安当局は、両病院に入院している患者は可能なら退院させ、継続的な入院治療が必要ならば転院させるよう指示した。

ただ、西安では今も感染者の確認が続く。中国の短文投稿サイト、微博(ウェイボ)では「西安当局は人為的に医療資源を欠乏させている。営業停止すれば地域住民の治療を困難にさせる」など批判の投稿が目立つ。防疫措置を決めたのは当局であり、病院や医療関係者を処分するのは「誤りだ」との投稿もあった。

中国共産党機関紙、人民日報系の環球時報の前編集長の胡錫進(こ・しゃくしん)氏も微博で、処分について「西安のコロナ流行はまだ完全には終わっておらず、医療資源は逼迫(ひっぱく)しているはずだ。周辺の人はどうやって診察を受けるのか」との認識を示した。

西安ではデルタ株の感染が急拡大し、昨年12月23日から住民1300万人の移動を厳しく制限する封鎖措置を行っている。感染者数は減少傾向を見せるが、中国の会員制交流サイト(SNS)では医療体制の混乱や食料不足など厳しい市民生活が伝えられている。

西安在住の女性記者の江雪(こう・せつ)さんが、西安の封鎖措置に伴う混乱を「人為的な災難だ」との批判をSNSで発表して共感を呼んだが、13日までに閲覧できなくなっている。当局は批判を警戒しているとみられる。