自動車総連、一律ベア要求額掲げず 4年連続

自動車メーカーなどでつくる産業別労働組合の自動車総連は13日、東京都内で中央委員会を開き、令和4年春闘でベースアップ(ベア)に相当する賃金改善分の金額を掲げない方針を決定した。一律のベア要求額を掲げないのは4年連続となる。自動車産業は脱炭素化に向けた電動化や自動運転などで競争が激化し、変革期を迎えている。各社の事情に応じて最適な条件を引き出し、大手と中小の格差是正を目指す。年間一時金の要求は3年春闘と同じく「年間5カ月」を基準とする。

4年春闘をめぐっては、岸田文雄首相が昨年11月、業績が新型コロナウイルス禍前の水準を上回った企業に「3%を超える賃上げを期待する」と発言。労働組合の中央組織の連合はベア水準を「2%程度」とする統一要求を決めた。

中央委員会に先立ち記者会見した金子晃浩会長は「当該労使が協議して適正な引き上げを図るべきだ」と主張。日本の平均賃金は先進国の中で見劣りするとして「裾野の広い自動車産業が役割を果たし、日本を元気にできる取り組みにしたい」と話した。

企業内最低賃金の要求は3年春闘から4千円引き上げ、「18歳で16万8千円以上」とする。3年春闘の回答は平均16万2700円程度だった。東矢孝朗副事務局長は「難しい水準だが、働く仲間の底支え、底上げに向けて取り組みを進める」と語った。

企業規模などによって基準となる月給が異なり、同額のベアを達成しても企業間の格差は埋まりにくい。このため自動車総連は平成31年春闘から、定期昇給なども含めた賃金の絶対額を重視する姿勢に転換した。

自動車総連によると、「月額3千円以上」の統一要求を掲げた平成28~30年の春闘に比べ、平成31~令和3年は中小労組の要求額の幅が広がり、積極的に賃上げに取り組むようになったという。