感染経路の半数「家庭内」 家でも不織布マスク、寒くても換気

強い感染力をもつ新型コロナウイルスの新変異株「オミクロン株」。東京都内で判明している感染経路の約5割が「家庭内」となる一方、デルタ株などに比べて重症化しにくいとされることから、国の対応は自宅療養者に重点を置いたものになっている。このため、懸念されるのは家族間での感染だ。15、16日には大学入学共通テストが実施され、本格的な受験シーズンに突入するなか、受験生を抱える家庭では一層気がかりだろう。家庭でとれる対策は-。

13日に開かれた東京都の会議では、直近1週間の感染者のうち、経路が判明している中では、家庭内が49・4%と最も高いことが明らかになった。感染急拡大に伴い、これまでに家族全員の感染が確認された事例もあるほか、都内では自宅療養者も急増。現在約3千人に上っている。

「前提として家庭にウイルスを持ち込まないことが重要だ」。こう話すのは、東京医科歯科大病院で感染症内科教授を務める具芳明(ぐよしあき)医師。その上で、オミクロン株の感染力を念頭に、「家庭に持ち込めば確実に二次感染すると思った方がいい」と強調する。

「私がみる患者も数日前に会食をしていたというケースが多い。まずは同居者以外との会食を減らすことが家庭内への持ち込みをとめることにつながる」と説明した。

家庭に持ち込まないため、また、家庭内での感染を避けるため、急激な感染拡大が続く沖縄県では、自宅療養者らが「車中泊」をするケースも明らかになっている。県によると、その背景には、高齢者や基礎疾患のある家族がいることや、自宅の部屋数などの関係で部屋を分けられないといった事情があるという。

沖縄県の担当者は「ホテルなどでの宿泊療養の準備が間に合わないケースもあり、心苦しい」とした上で、「エコノミークラス症候群など命に関わる状態にもつながりかねないため車中泊は避けてほしい」と呼びかけている。

それでは、家庭でできる対策にはどのようなものがあるのか。

具氏は「オミクロン株も感染の仕方は変わらないため従来通りの対策が通じる」と説明する。

具氏によると、家族でも対面するときには可能な限り不織布(ふしょくふ)のマスクを着用することや、「気温が低い冬は閉め切りがちだが、こまめに換気することは重要」と助言する。換気については「台所の換気扇を回しながら窓を少し開ける方法や、壁の換気口を開けるといったやり方も有効」とした。家庭内ではタオルや洗面道具の共用を避けることが重要だという。

このほか、コロナ禍でとってきた対策同様、大皿の料理を避けることや、ドアノブや携帯電話などの消毒、食料品や常備薬、日用品の備蓄についても気をつけたい。

さらに、オミクロン株は、のどの痛みやせき、鼻水といった軽い症状が目立ち、後からコロナと判明するケースも多い。具氏はコロナだと気づかずに家庭内で感染を広げる恐れがあるとし、「わずかな体調の変化があれば、他の家族とは距離をとるなど警戒する必要がある」と語った。