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鑑賞眼

国立劇場新年恒例「菊五郎劇団」 「南総里見八犬伝」にサプライズ演出

犬飼現八と犬塚信乃による芳流閣での立ち廻り(国立劇場提供、二階堂健撮影)
犬飼現八と犬塚信乃による芳流閣での立ち廻り(国立劇場提供、二階堂健撮影)

新年の東京・国立劇場といえば、今や恒例となっている「菊五郎劇団」(座頭・尾上菊五郎)による初春歌舞伎公演。毎年、時事ネタやトレンドを演出に巧みに取り入れ、観客を楽しませている。今年は通し狂言「南総里見八犬伝(なんそうさとみはっけんでん)」が上演中。果たして今年のサプライズ演出は?

昨年末に実施された本公演の記者会見では、出演者らが菊五郎をプロ野球、日本ハムの新庄剛志監督にちなみ、〝ビッグボス〟と呼ぶ場面も。女性と見まごう犬坂毛野役の中村時蔵は前回(平成27年)、中国風の扮装(ふんそう)をして剣の舞を舞うという異色の演出に戸惑いを隠せなかったという。ただ「我らが〝ビッグボス〟の命令ですから、頑張っていきたい」とあいさつ。尾上菊之助も、父親の菊五郎を〝ビッグボス〟と呼び、記者らの笑いを誘っていた。

そのため今年のサプライズ演出には〝ビッグボス〟が登場するのでは、と期待させたが、今回取り入れられたのは昨年の東京五輪開会式で世界中を感動させたドローンの演出だった。

行方不明となったヒロイン(浜路)を捜す場面で、糸で吊った木製のドローンが登場。その後、舞台が暗転。複数のちょうちんをぶら下げたさおを使い、ちょうちんの明かりをドローンに見立てて「ハツ」「ハル」などの文字を浮かび上がらせ、客席を沸かせていた。

公演では風格と妖気を備えた犬山道節(菊五郎)をはじめ、怪力無双の犬田小文吾(坂東彦三郎)、犬川荘助(坂東亀蔵)、犬村大角(中村萬太郎)、犬江親兵衛(尾上左近)ら8人の勇士(八犬士)を演じた役者が、それぞれ犬士の特徴をうまく表現していた。

犬飼現八(尾上松緑)と犬塚信乃(菊之助)による芳流閣の大屋根での立ち廻りも迫力満点。そして桜花が咲きほこる中、八犬士が儒学の倫理観を示す「仁義八行」(仁、義、礼、智、忠、信、孝、悌)の一文字が浮かぶ水晶珠を一つずつ持って迎える大団円もすがすがしく、新春にふさわしい舞台だった。

1月3~27日、東京都千代田区の国立劇場。国立劇場チケットセンター、0570・07・9900。(水沼啓子)

公演評「鑑賞眼」は毎週木曜日正午にアップします。

「南総里見八犬伝」で犬山道節を演じる尾上菊五郎(国立劇場提供、二階堂健撮影)
「南総里見八犬伝」で犬山道節を演じる尾上菊五郎(国立劇場提供、二階堂健撮影)
八犬士が勢ぞろいして迎える大団円(国立劇場提供、二階堂健撮影)
八犬士が勢ぞろいして迎える大団円(国立劇場提供、二階堂健撮影)