清田徳明・TOTO社長 社会課題解決へ付加価値

インタビューに答えるTOTOの清田徳明社長
インタビューに答えるTOTOの清田徳明社長

令和3年は国内、海外ともに需要が好調で、9月中間決算は売上高、最終利益ともに過去最高の業績を記録することができた。

国内では2年以降、新型コロナウイルス禍による行動制約の中で「おうち時間」が長くなったことが大きい。清潔や衛生に対する意識の高まりとともに、家での時間を快適に過ごしたいというニーズが増え、キッチンやお風呂回りが好調だった。

海外では中国経済がいち早く新型コロナによる落ち込みから回復した。ただ、昨年10月以降は不動産大手「中国恒大集団」の信用不安による影響が表れた。中国政府による不動産投資の引き締めで景気が冷え込む可能性がある。最近は緩和する動きもあるが、今年2月ごろまでは悪影響が続くだろう。それでも長期的には、個人所得の向上によって底堅い住宅ニーズがあり、安定成長が見込める市場だ。

アメリカもウォシュレットの販売が一昨年から引き続き好調だった。唯一、少し苦戦したのが東南アジアだ。コロナの影響で原材料や部品の調達に苦しんだほか、ロックダウンで活動できない時期もあり、ずいぶん納期がずれた。

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今年は昨年以上に経営環境は良くなるとみている。国内外で底堅い需要を見込んでいる。

唯一、懸念材料は原材料や部品の調達と価格の高騰だ。コロナの反動で現在は半導体や樹脂、電線などあらゆるものが足りていない。ウォシュレットだと数百の部品があって、一つでも足りないと生産できない。需給が正常化してくるにはそれなりの時間がかかるだろう。

陶器を焼くための天然ガスなど燃料コストも上がっている。コンテナなど物流コストも上がっており、輸送も遅れる。需要はあるが、供給できるか。そこが一つの課題だ。

材料関係の価格高騰は何がしかで吸収しなければならず、場合によっては価格に転嫁せざるを得ない。海外では割と価格転嫁は認めてもらいやすいが、日本は難しい市場だ。

昨年、令和12年度までの長期的な目標を定めた経営計画「新共通価値創造戦略 TOTO WILL2030」を策定し、順調なスタートを切った。2年目の今年も取り組みを加速させていきたい。

節水や温室効果ガスの削減など社会的、環境的な課題解決のために、われわれが付加価値を生み出す。真っ当にビジネスをしていけば社会の役にも立てるし、会社の業績も伸ばしていける。必然的にSDGs(持続可能な開発目標)の実現にも近づいていける。

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リモデル(リフォーム)が中心の国内は、人口が減っていくのは間違いなく、海外ほどの爆発的な伸びは難しい。ただ、50~60代のリモデル適齢層は令和12年まで減らない。リモデルは価値を認めてもらいやすい市場。われわれがしっかりと価値を提供できれば、年5~6%程度の堅調な伸びが期待できる。

長期的な成長のためには中国以外にもアメリカ、アジアでの販売を拡大していかなければいけない。

アメリカはある程度、成熟した国で、ターゲットは中高級ゾーンだが、まだまだ現地の会社と比べてビジネス的には小さい。少しでもウオシュレットのシェアを上げていきたい。

アジアは今後、間違いなく経済成長し、軌道に乗っていけばビジネスを拡大できる。アジアでも狙いは中高級ゾーンだ。現地メーカーではできない商品を提供していくことがわれわれの価値だと思っている。市場として成長著しいのはベトナムとインドネシア。そして、その先にインドがある。(小沢慶太)

【清田徳明(きよた・のりあき)】 昭和36年10月、北九州市出身。長崎大を卒業後、59年にTOTO入社。ウォシュレット生産本部長、常務、専務などを経て平成28年4月から副社長。令和2年4月に社長就任。